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   2.5   脳と行動進化  


   脳の構造と、それをもつ動物の行動様式の間にある因果関係に注目します。

   我々動物が、神経組織を持つのは、動く必要があるからです。それが証拠に、動く必要のない植物には、この様な組織はありません。

   だから、これらの神経組織の構造と、それを持つ動物の行動様式の間には、非常に密接な関係があることが予想されます。いや、神経組織の構造が、そのまま動物の行動様式に反映されるわけですから、もっとはっきり言えば、動物は神経組織の構造に反した行動はとれないわけですから、このふたつは表裏一体の関係にあるはずです。即ち、ここにひとつの因果関係を見いだします。

   この因果関係は、重要です。なぜなら、この関係を使えば、動物たちの行動様式の進化を論ずることによって、その背後で平行して起こっているだろう神経組織の進化を論ずることが可能となるからです。

   つまり、メスを使って脳を分解しなくても、脳の関与した現象を外部から観察することによって、間接的に、その構造を解明する道を開くからです。この手法を使えば、今までの手法では解くことのできなかった我々人間の脳の構造も解ける可能性があります。

   ここでは、動物たちの行動様式の進化を観察することによって、その背後で平行して起こっているだろう神経組織の構造の進化を論じていきます。
   具体的には、動物の行動様式の進化を、本能的行動、学習された行動、意識された行動の三段階にわけ、この各々に対して、神経組織が、特徴ある構造を持っていることを示します。

   そして、それによって我々人間の脳の特殊性を論じていきます。


   2.6  用語の混乱 

   この内容は、哲学、宗教、心理学、工学、生物学、生理学などの幅広い分野の内容を統一したものです。従って、用語の混乱と交錯が起こっております。
   自分としては、できる限り統一に努めたのですが、とくに工学用語に統一するように努めたのですが、(工学用語が、一番、その物理的意味が明確だからです。)しかし、まだ不完全です。いや、正直に述べれば、自分は、この問題を解決できないでいます。
   自分のレベル(能力?)では、まだこれを完全に克服、整理することは困難です。だから、そのつもりでお読み下さい。
   色々な学問分野の用語が、実は、ほとんど、同じ意味であるにも係わらず、混用されています。

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