2.5 自然の擬人化

   自然選択説も、このような殻(価値観)への拘りから、生まれています。この考え方の背景にあるのは、人間と自然の素朴な混同、即ち、『自然の擬人化』です。

   生物学者は、「我々人間の『いい。わるい。』の価値判断と同様なものを、自然も持っており、その判断機能によって、自然選択が起っている。」と、思い込んでいる節があります。人為選択からの類推で、自然選択説を理解しています。

   我々人間は、『いい。わるい。』の価値観に従って行動しますが、そのような行動原理を、自然も持っていると信じています。人間の行動原理と、自然の行動原理は同じだと思っています。


と考えています。

   人間の姿を、自然に投影しています。素朴なアニミズム、即ち、自然の擬人化です。